140 この時代への警鐘
東京オリンピックを翌年にひかえた昭和39年秋、東京~新大阪間の東海道新幹線が開業した。世界最高時速210キロを誇る「ひかり号」の登場である。この国の威信をかけ誕生した夢の超特急は、当時世界中を震撼(シンカン)させた。その後、新幹線は経済発展の象徴となり、ぐんぐん伸びる日本の高度成長を支えていった。
人気爆発「ひかり号」の影で、世間のひかりを浴びることなく、ひたすら路線の安全を点検し続けてきたのが新幹線電気軌道総合試験車という(写真の)黄色い新幹線だ。この黙々とはたらく寡黙な車両こそ、日本高速鉄道の安全神話を守ってきた立役者なのだ。嬉しいことにあれから半世紀近くを経、いま彼は「ドクターイエロー」の愛称で親しまれ、子供たちのヒーローとして輝きはじめている。

科学の技術が、決して人間の域を超えることなく、進歩と安全の値(あたい)を同等に重んじていた時代は確かにあったと思う。当たり前の高度成長に慣れてくると、我々は利便さを追求するあまり、どんどん前に進みすぎる。そして、それに対しての安全の値がどのくらいのものになっているのか、分からなくなる。
いつからこの時代への警鐘は鳴り続けていたのだろうか・・・・。原子炉事故のような取り返しのつかないことがおきて初めて気づいた、ではすまない時代にまでもう来てしまっている。
ああ 平成24年、どうか平和な1年になりますように!!!
追伸。ちなみに次世代の超伝導リニアの最高スピードは、実験段階で時速580キロを超している。











