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2009年01月20日

089 フランス旅行記 ロワール5 シノン

イギリスとフランスの百年戦争、最後に1人の乙女がフランスを救う。彼女の名は「ジャンヌ・ダルク」、オルレアンの勝利で形勢を一気に逆転させたのは有名で、この戦いでフランスが九死に一生を得たのは間違いない。時は1429年、神のお告げに導かれた彼女は王子のいるシノンの城にやって来た。王子をフランス国の王として戴冠させるためである。フランスの王は代々シャンパーニュのランス大聖堂で戴冠式を行っていたため、王子をランスまでお連れしなければならなかった。戦乱のさなかにそんな噂を聞いた王子は、そのことをまゆつばと疑い、見物人の中にまぎれて彼女を試してみることにした。しかしジャンヌ・ダルクは初対面である王子にすぐさま歩みより、こう言ったという。「王子様、私は神よりあなたをフランス国の王にするよう遣わされた者でございます」と。

ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク
フランスを救った悲劇のヒロインとして今でも絶大な人気を誇るジャンヌ・ダルク。シノン城の中には彼女の記念館がある。


さてさて、シノンといえばロワール随一の赤ワインの産地。カベルネフラン種でつくられる華やかなシノンワインには、多くのファンがついている。朝いちばんにトゥールを出た電車は10時前にはシノン駅に到着した。ジャンヌ・ダルクとワイン人気で、街もさぞや活気があるのだろうと勝手に思っていたのだが、ダルク広場のホテルに着くまで誰にも会わなかった。チェックインを済ませ、とりあえずその辺をひと回りすることに・・・。シノン城を右手に眺め、閑散としたメインストリートをカメラを片手にぶらぶらしてみたものの、20分ほどで街はずれに行き着いてしまった。何軒かのワインメーカーも見つかったがまだ閉まっており、1日たっぷりとってあったシノン観光も、早々とシノン城へ登ることになった。決勝トーナメントで、十八番の持ちネタを最初に披露してしまう漫才師と同じ心境である。

ロワール シノン城
ロワール シノン城。
シノン城
ロワール シノン城。
城から見たシノンの街
城から見たシノンの街並。
シノン城から見えるクロ・デ・レコーのぶどう畑
裏側に目をやると、ぶどう畑が広がっていた。良質な赤で知られているクロ・デ・レコーの畑。
赤ワイン クロ・デ・レコー
試飲をお願いするため門をたたくと、違う年代のクロ・デ・レコーを4杯も飲ませてくれた。今晩用に2002年を1本購入、20ユーロほどだったと記憶。

スーパーで売られていたシノンのワイン
スーパーで売られていたシノンのワインは1本500円ぐらいから。うーん、安い!

明日はシノンを離れ、ジャンヌ・ダルクと同じくオルレアン経由でシャンパーニュ地方ランスへ向かう。

2009年01月14日

088 フランス旅行記 ロワール4 シュベルニー

朝から矢継ぎ早に回ってきたロワール古城とワインの旅、最後はシュベルニー。ここで造られるワインはトゥーレーヌ地区でAOCに指定されている。AOCとはアペラシオン、オリジン、コントローレの略で、区域が定められた伝統的な産地で造られたワインとしての名称で、品質保証の証明としてラベルに記されている。城はこじんまりまとまった感じで、シンメトリーな美しさといったら、カロンセギュールのようなボルドーのそれの比ではない(・・と言い切ったらヘンだが、こちらのお城は王がらみなのでスケールが・・・)。有名漫画タンタンでもモデルになったほどのシュベルニー城、その魅力のひとつに部屋の装飾のすばらしさがある。書斎、居間、寝室とどれをとっても洗練されていて、王室の気品が漂ってくるようである。

シュベルニー城

気品溢れるすてきなテーブルセッティング

ここでワインを飲みながら語り合ったのだろうか
ここでワインを飲みながら語り合ったのだろうか・・・。

試飲はこちら
入場口の前に「シュベルニーワイン試飲」の看板があったので、城見物もほどほどに戻って来たものの、試飲カウンターが閉まっており・・・トホホ。
光るパネルで訪問者用にワイン説明
訪問者用に作られたシュベルニーワインの説明パネル(よくある光るやつ)を順番に押しながらバスを待つ。やはりワインの味が気になるので、赤を1本買って帰ることにした。

2009年01月13日

087 フランス旅行記 ロワール3 シャンボール 

午後、バスはアンボワーズを出てシャンボール城に到着。イタリア遠征でルネッサンスに触れた弱冠24歳の王フランソワ1世は、フランス様式に革新的ルネッサンス建築を取り入れたシャンボール城建設に着手する。1519年、その頃日本は室町時代である。もともと狩猟好きな彼の離宮として考えられていたらしく、城の中には鹿の角や剥製、狩にまつわるタペストリーなどが多数展示されていた。もっともそのフランソワ1世が、32年間の統治生活のうちシャンボールで狩をして過ごした日数はわずか72日、死去するまでに主塔と王室の塔しか完成しなかったというから、後のアンリ2世やルイ14世が彼の意志を引き継いだといえる。広大な敷地はパリ市の広さに匹敵し、今日ヨーロッパ最大の森林公園となっている。今も変わらず野生動物が自由に棲息し、遊歩道ではイノシシや鹿の姿も見ることができるという。まあとにかく我々の想像をはるかに超えた大きさである。

シャンボール城
天気も良い。芝生に座りこのすばらしい城を眺めていると、本来の目的であるワインなんてどうでもよくなる。
ワインの露店
城の前に並ぶ露店、ワインも売られている。暑いのに大丈夫か?と少々心配になる。
試飲の店
ワインショップを発見。やはりシャンボールワインを試飲してみることにする。
シャンボール城の赤ワイン
フルーティーで軽めの赤ワイン。係のおじさんはまったく客に関心なく新聞を読んでいた。
サラマンダー
シャンボール城
火に棲む伝説の生き物サラマンダーがシャンボールの象徴。サラマンダーは「聖なる炎を養い、悪の炎を駆逐する」というのが王室の格言だそうだ。それにしてもサラマンダーの1匹や2匹、居てもおかしくないほどの城であった。次回はシュベルニー。

2009年01月09日

086 フランス旅行記 ロワール2 アンボワーズ

次に訪れたのは、ロワール渓谷を高台から望むアンボワーズの城。さすがに世界遺産ともなれば観光客が絶えず、通りのレストランやみやげ物屋は繁盛している様子である。ただ、幾多の戦いを見届けてきたからか、城だけがどこか寂しそうにたたずんでいたのが印象的であった。シュノンソーの庭園を見た後だけに物足りなさは否めないが、アンボワーズの庭はフランスで初めてイタリア風のレイアウトが採用された由緒ある庭だそうで、その筋の方にはとても興味をそそるものらしい。イタリアと関係が深いのか、フランソワ1世に招かれたレオナルド・ダ・ヴィンチも近くのクロリュッセで晩年を過ごしている。城にはダ・ヴィンチの像や、彼が設計した戦車なども・・・そして街はなぜかモナリザの絵はがきであふれていた。過剰なダ・ヴィンチ人気も、城が寂しそうな理由のひとつにあげておこう。

ロワール河から見たアンボワーズ城
ロワール河から見たアンボワーズ城。
アンボワーズ城
アンボワーズ城。眺めがすばらしい。
アンボワーズ城のぶどう
庭には美味しそうなぶどうが実っていた。
城近くのワインショップ
城を出るとアンボワーズ城のワインが試飲出来るワインショップを見つけたのでさっそく・・・。
アンボワーズの赤ワイン
しっかりしたボディを持つ赤ワイン。もちろんラベルはアンボワーズ城。
アンボワーズの白ワイン
さわやかな酸味が心地よい白ワイン。
アンボワーズのロゼワイン
フルーティなロゼワイン。とても人気があるようで、レストランではロゼがよく飲まれていた。
城下町がひらけ、活気あるアンボワーズ
活気あるアンボワーズの街。ワインショップが何軒かあったが、ボルドーなどに比べ控えめなのがまた可愛く、応援したくなった。 では次回、シャンボール城。

2009年01月07日

085 フランス旅行記 ロワール1 シュノンソー

トゥールからのロワール河
夜明けとともにボルドーを離れ、一路トゥールという町に向かう。トゥールは年中旅行者でにぎわうロワールの中心都市。代々の王が建てた古城が点在し「フランスの庭」とも称されるロワール河流域は、風光明媚な観光スポットとして人気なのである。そして豊かな自然と恵みの大河は、当然おいしいワインを産むこととなる。ロワールのワインはボルドーやブルゴーニュほどの知名度はないが、安くて美味しいものが多いように思う。フレッシュなミュスカデ、スモーキーなプイイといった白、シノンに代表される華やかな赤、フルーティーが人気のアンジューのロゼなど、なかなか粒ぞろいである。 さて、トゥールに着くとさっそく駅でロワールワインの試飲が出来そうな古城巡りのバスをさがす。ナント辺りの河口都市までは行く時間がないので、とりあえず上流の有名な4つの城へ向かうミニバスを予約した。シュノンソー、アンボワーズ、シャンボール、そしてシュベルニー。


翌朝10時、まずシェール川の上に橋のように建つシュノンソー城に到着。白い城の前にはカトリーヌ・ド・メディシスのすばらしい庭園が広がり、訪問者を楽しませてくれる。賛美の形容詞はいくらでもあるが、うまく伝わらないと思うので写真を見ていただきたい。

シュノンソー城

シュノンソー城

シュノンソーのワインセラー入口
シュノンソーのワインセラー入口
シュノンソーのワインセラー内
シュノンソーのワインセラー内
年代物のワイン
城の敷地内には広いカーヴがあり、たくさんの古いワインが眠っていた。もちろんここでワインの試飲ができるので、いただくことに・・・。
シャトー ド シュノンソー 2000
この城をデザインしたラベルの「シャトー ド シュノンソー 2000」。その時書いたテイスティングメモに「気品あふれる香り」とあったが、おそらく城の雰囲気がすこし手伝ってのことだと思う。とてもフルーティーで素直においしい。イメージしていたほど軽くはなく、しっかりした赤ワインだなと思った。

かつてはここの城主も飲んでいたワイン・・・いろいろな想いをめぐらしながら旅はつづく。次回アンボワーズ。