083 ヒラメとカレイ
よく「左ヒラメに右カレイ」と言うが、私はその言葉自体の左右がどっちだったかいまだに覚えられない。ヒラメとカレイ、さすがに経験から見分けはつくが、見慣れない人には少々難しいかもしれない。いやしそうに大きい口をあけたのがヒラメで、おちょぼ口をしたのがカレイと覚えるとわりに簡単に見分けがつく。ただ、今はほとんどの魚が切り身や刺身になってパック売りされ、魚の顔を見て買うのではなく、表示シールの名前を見て買う時代である。スーパーで目の左右や口の大小に気を止める主婦はまずいない。
さて、最近はヒラメも養殖物が多く、年中見かけるが、本来は寒ビラメと言われる冬の寒い時季に獲れる天然のヒラメが格別に美味いと言われる。裏側が真っ白なものが天然物なので、これも覚えておくと良い。逆にカレイの時季は春から夏で、あたたかくなると市場にはヒラメに代わって色々な種類のおいしそうなカレイが並ぶ。「夏座敷とカレイはえんがわがよし」と言われ、身よりもまわりのヒラヒラしたヒレのところを好む食通も多い。
ただ、ゲデレーのような西洋料理店では、カレイは今ひとつ人気がない。美味しいのは美味しいのだが庶民的な感じがあり、メニューとしてやはりヒラメ料理にかたよりがちになってしまう。個人的におすすめはクリームソース。白ワインやベルモットが香るエシャロットや野菜をつかったソースは、見た目より軽い仕上がりで、ヒラメの繊細な味を引き立ててくれる。香り高い白ワインとともにぜひ楽しんでいただきたい。




