080 フランス旅行記 ボルドー ポムロル編
ボルドー市街からガロンヌ河を越え、ハイウェイを40分ぐらい走るとリブルヌという町に到着した。リブルヌの北東にポムロル、東にサンテミリオンが広がっている。ここはドルドーニュ河の北側に栄えた、いわゆる「右岸」の拠点となる所である。ピレネー源流のガロンヌ河と中央高原源流のドルドーニュ河がジロンド河に合流、ポムロルやサンテミリオンはそのジロンド河の右側なので、一般的に「右岸」と呼ばれている。マルゴー、ポイヤックのようにワイン格付け宣戦に顔を出せなかったのは、ボルドー市から遠いことに加え、大きなジロンド河がネックになったようだ。
リブルヌはこじんまりとしているが、そこそこ大きな町である。運良く駐車場付きのホテルもすぐに見つかり、さっそくフロントで道を確認。明日は夜明け前の出発予定なので、いちばん分かりやすい道を教えてもらう。(最初、リブルヌから歩いてポムロルまで行く計画を立てていたが、かなり距離があると聞いてぞっとした。)
翌朝、いざポムロルへ。車で郊外へ出ると、畑以外に何もない田舎道が続いていた。眠い目をこすりながら、狭い道を対向車に注意する。(フランス人はけっこう飛ばすので正直こわい)。うす暗い中10分ほど走ると、赤いセラーが目立つ「シャトー レヴァンジル」を発見した。やがて夜が明けてからはポツン、ポツンと遠くに建物が確認できたので、シャトーらしき所へ順に車を向ける。「ヴュー シャトーセルタン」「ル ボンパストゥール」「ラ クロワ ド ゲイ」「クリネ」「レグリーズ」など、名立たるシャトー達が次々に出てくる。そしてついにポムロルの代名詞とも言えるあのシャトーも・・・。

「ペトリュス」のシャトーは、メドックの大きく立派なシャトーには見劣りするものの、近代的で清潔感のある建物であった。王者らしくポムロルの丘の中心、いちばん高い所にある畑はさすがにきれいに整備され、木には熟したメルローがたわわになっていた。ポムロルで唯一「ペトリュス」だけが、砂利のまじってない粘土質だけの畑を持つ。そこから獲れるこのメルローは、生まれつき見た目には解らない特別な味わいを持っており、エリート中のエリートである。誰もいないので一粒とって食べてみようと思ったが、見つかると国際問題になりそうなのでやめた。それにしてもこの辺は静かで、この1時間にまだ2人しか会っていない。のどかな畑の中で、ポムロルのぶどうはストレスも無く、すくすくと育っていた。
ところで、今回の旅行でどうしても写真に撮りたい場所が5ヶ所、その2ヶ所目は「シャトー ル・パン」の松の木であった。今や「ペトリュス」に肩を並べるほどのワインで、小さなシャトーながら頑張る姿がどうしても見たかった。今でこそ右岸ワインブームで、メルロー主体のリッチなワインが注目されているが、ボルドーで格付けがされた1855年当時は実際、箸にも棒にもかからなかったのだ。(当時、ジロンド河に橋は架かっていたようだが・・・)いずれにせよ、時を経てポムロルワインは今、かなりアツイ!!!










