041 いちじく

アダムとイブが腰にまいている葉っぱ、ザクロやブドウと並んで世界で最も古い果物のひとつ「無花果(いちじく)」。小麦よりも古い人類最古の栽培食物では?との研究も現在すすんでいるという。1日に1個ずつ熟していくので、また1ヵ月で熟すので「一熟」、それが変化したというのが有力な由来のようである。
子供の頃、近所の大きないちじくの木に実が熟しはじめると競って食べた記憶がある。学校帰り、遊びつかれたわんぱくボーズ達の格好のおやつであった。(・・・もし木の持ち主が「大きいわりに実付きが悪い」とぼやいていたとしたら、ここでわんぱくの代表としてお詫びします。)
さて、この時季ゲデレーで使ういちじくは、妻の実家から届けられるとれたてのもの。赤黒くよく熟れたものは生ハムの添え物には格別。またたっぷりのせたタルトやシロップ、ワインで煮るコンポートなどデザートも抜群である。赤くない白いちじくと呼ばれるものもあり、甘みが強いが痛みやすいのでソースやジャムにする。栄養面では、カリウムが高血圧や動脈硬化予防に、食物繊維は腸の働きを活発にし便秘予防に、酵素は酔い醒ましに効く。
その昔は不老長寿の実とまでいわれ、薬の木とも称されたいちじく、古代から愛されてはいるがいまいち地味でトップスターになれないところがまたかわいい。ハナは無いが、これからもいぶし銀の魅力で秋の食卓を彩ってくれることは間違いない。





