022 サフランについて
サフランソースは私の大好きなソースのひとつである。
まぶしい色彩と奥深い香りが特徴であるサフラン、ペルシャ語のSafraサフラ(黄色)からきているらしい。クレタ島のクノッソス宮殿には、4千年前に描かれたサフランの花を採集する壁画が残されているというから歴史はかなり古い。世界最大の生産国はスペインで、パエリアに代表されるスペイン料理の多くにサフランが使われる。ブイヤベースをはじめとする魚介料理には、魚の臭みを消すのに効果的。また、鶏肉との相性も抜群で、サフランをひとつまみ加えるだけで、香り高く上品な味わいに仕上がる。インドや中国でも生産されているが、スペインのバレンシア産が最高級とされている。黄金色が神聖とされた中世から王侯貴族の宴会料理にも使われており、上流階級のステータスでもあったようだ。また、サフランは悟りの象徴ともいわれ、仏教僧侶の黄色の衣服は昔サフランで染色されていたそうだ。
園芸用のクロッカスに似たサフランクロッカスの雌しべを丁寧に乾燥させてつくるのだが、1つの花から3本しか採れず、気の遠くなるような作業だ。色、香りの高貴さに加え、貴重とくれば、香辛料の中で群を抜いて高価なのもうなづける。神聖ローマ帝国の時代には、ベニバナをサフランと偽って儲けていた商人が、見せしめのために火あぶりの刑になったという記録も残っている。そんな人々を惑わし魅了してきたサフラン、まさに香辛料の宝石という言葉がピッタリだ。





