018 水
考えてみると「海外旅行」という言葉は、日本独特の表現だ。そもそも大和や武蔵といった馬鹿でかい戦艦が誕生したのも、海に囲まれた国ならではの水軍思考からであろう。昔から水とともに暮らしてきた日本人は、水害と隣り合わせとはいえ、その有り難さは身に沁みてわかっているはずである。海からとれる新鮮な海産物の恵み、山々からは名水が湧き出て、人々の喉を、やがては田畑を潤す。外国では水道水が飲める国は少なく、もちろんレストランやカフェに入ってもまず水は出てこない。世界中で生水がそのまま飲める国は珍しいのだそうで「水は買う物」という認識のない我々は、そんな時日本は幸せな国なのだとあらためて実感する。
最近はそんな日本でもミネラルウオーターがブームらしく、コンビニエンスストアでは競って種類を揃えているようだ。当店でもフランスのペリエを置いているが、水がおいしい石川県では都会ほど需要はないようだ。今回はミネラルウオーターって何ぞ?と思って調べてみた。
ミネラル分とはカルシウム、マグネシウムをはじめ、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガンなど水中に溶けている鉱物総量のことで、一般的にこれらミネラル分が多くなると苦味、渋味、塩味を感じるようになり、反対にミネラルが少なすぎると気の抜けた味になる。そして、ミネラル主要成分のカルシウムとマグネシウムの量が硬度として表される。日本の水の硬度が通常1リットルあたり20~30mgであるのに対し、ヨーロッパの水は200~400mgもあるという。軟水に慣れた日本人が飲んで下痢をするのも納得である。ちなみに硬度50mg前後がもっとも好まれる味わいとのこと。また、ヨーロッパのレストランでは、かならずミネラルウオーターは「ガス入り」か「ガスなし」かを聞かれるが、ペリエに代表される炭酸ガスの溶け込んだ水は、味をさわやかにするほか、舌や胃の神経を刺激し消化液の分泌を促進させる効果があるのだそうだ。
参考として、ミネラルウオーター先進国のヨーロッパでは品質保持のため、ナチュラルミネラルウオーターとして以下のような基準がもうけられている。
1.深部地下水である。
2.源泉からの直接採取(添加物なし、殺菌加熱なし)、現地でボトリング。
3.人体に有益なミネラルを含有し、その成分が変動しない。
4.水質汚染防止のための環境保全が常に行われている。
地球の7割は海、体の6割は水、料理や酒づくりも水が基本、やはり「水」は生命の源である。




