012 バナナ
日本には語呂合わせ記念日がよくあるが、8月7日はバナナの日。バナナといえば、常にスーパーマーケットの入り口付近に陣取り、買い物客を出迎えてくれるもっとも大衆的な果物。ただ、年配の方々には多少思い入れが深い果物のようで、高級なイメージがまだ残っているらしい。というのも、フィリピンなどから大量生産の安いバナナが入って来るまでは、バナナといえば台湾産で、価格も今の倍以上はしていたというからそれは高級だ。特別な日か、病気をした時にしか食べられなかったというのも大げさな話ではない。1963年の輸入自由化を皮切りに価格はどんどん安くなり、バナナはみんなに愛される極々身近な果物となった。そしてバナナの皮は、いたずら小僧の必需品として活躍した。
「昔のバナナはおいしかった」とは多少ひいき目であろうが、防疫の関係で未熟で青いバナナしか輸入出来ない現在のものと比べ、熟れて甘みのいっぱい詰まったバナナを味わっていたのは本当だ。濃い黄色に熟したバナナは甘くておいしいのだが、ほとんどが船の中で熟してしまうので、売り手側の品質管理も大変だったらしい。「バナナのたたき売り」なんて言葉はもう死語となり、今や古い映画でしか観る事が出来ないが、当時は威勢よくテンポある掛け声が各地で飛びかっていたのだろうか。
値段は安いが栄養素は豊富で、カリウム、マグネシウムがとても多く含まれる。スポーツ選手が競技の合間に食べているのをよく目にするが、簡単にエネルギー補給するのに欠かせない健康食として認められているのだ。当店もデザートの添え物によく使っている。また、食感が似て、甘みの具合も合うので、フォアグラのテリーヌと一緒に盛り付けることも多い。




