014 テレビの取材
先日、MROイヴニング5のテレビ取材(番組のビール特集の中で紹介されるとの事)があった。マスメディアの仕事は方々にアンテナをはっているのだろうが、それでも当店のような小さい店に声をかけていただいたのは光栄である。ディレクターのK氏をはじめ、カメラマンの方、アナウンサーの松村氏、とても気さくで人間味がある方々で、何より仕事に対する一生懸命さが伝わってきたのが嬉しく思った。もちろん仕事なので当然なのだが、限られた取材時間の中で思い描くイメージに少しでも近づけようとする真剣な雰囲気がひしひしとうかがえ、私も緊張した。
2日に分けて延べ2時間程の取材、ほんの2、3分の放送のためにそこまでこだわるのかと正直感心した。エスカルゴや生ハムを食べている松村氏の目線で後日取り直したり、光の具合でビールをおいしそうに見せたりと、なるほどこうやっていろいろなカットを組み合わせて番組は成り立っているのだと、またひとつ勉強になった。仕込みに手間ひまをかけ、1皿の料理をつくりあげるシェフの仕事にも共通するが、お客様の直接的反応が見えない分、感動や充実感の半分以上は自己満足の世界なのであろう。(達成感の目安は視聴率かな)
リモコンを片手にテレビを見るシビアな時代、人を引き付ける番組づくりには飽きさせないアイデアや斬新な企画などはもちろん必要であろうが、考えられた一瞬一瞬の積み重ねが気の抜けない流れを生み、魅力あるおもしろい番組になるのだと感じた。「仕事への姿勢」や「魅力ある表現」など、今回感じたことを自分の仕事に置き換え、サロンのひもをギュッと締め直した私であった。





しわのない新しいお札はとても気持ちが良い。私は週に2、3度銀行へ行き、おつりの為の両替をする。「おつりを新札で向きをそろえてお返しすることは、お客様への最低限の心配りである」と、20代半ばに何かの本で読み、現在ゲデレーでも続けている。
日本には語呂合わせ記念日がよくあるが、8月7日はバナナの日。バナナといえば、常にスーパーマーケットの入り口付近に陣取り、買い物客を出迎えてくれるもっとも大衆的な果物。ただ、年配の方々には多少思い入れが深い果物のようで、高級なイメージがまだ残っているらしい。というのも、フィリピンなどから大量生産の安いバナナが入って来るまでは、バナナといえば台湾産で、価格も今の倍以上はしていたというからそれは高級だ。特別な日か、病気をした時にしか食べられなかったというのも大げさな話ではない。1963年の輸入自由化を皮切りに価格はどんどん安くなり、バナナはみんなに愛される極々身近な果物となった。そしてバナナの皮は、いたずら小僧の必需品として活躍した。
ゲデレーではパスタアラビアータ(トマトソースのパスタ)と決めているお客様が何人かいらっしゃるようだ。とてもありがたいことであるが、年中同じ味をつくるのは正直たいへんだ。というのも、当店は生のトマトしか使わないので100個のトマトからは微妙に違う100種のトマトソースが出来る訳だ。麺をあえる何秒間かのなかで判断し1つの味を決める。塩やコショウ、茹で汁やオイル、時には砂糖を加えたりもするのだが、こればかりは自分の舌と経験から学んだことであり、人に教えるのは難しい。