002 パルマの熟成生ハム
高級生ハムと聞いてまず思い浮かぶのは、スペインのハモンセラーノとイタリアのパルマハムであろう。かたく乾燥させ噛むほどに味が出るタイプの前者に比べ、後者はやわらかく塩分少なめで、甘みがあるのが特徴。うすくスライスし、メロンやいちじくを添える前菜が一般的だが、色々な食材に巻いて調理したり、スープや煮込みのコク出しに使うなど料理のバリエーションは豊富。当店でも開店以来、パルマ生ハムを使用しており「イタリアパルマ産熟成生ハム」は人気No.1の前菜である。
パルマ産の生ハム、そのおいしさの重要な秘密は次の2点。1つは、適度な湿度を保つ地形とアペニン山脈を越えて吹き込む海からの風により、熟成中の微妙な温度調整ができ、少なめの塩で仕上がる点。もう1つは、有名なチーズ、パルミジャーノレッジャーノを作る際にでるタンパク質の多い乳清を飲ませることで、脂身の厚いやわらかい豚が育つ点だ。
また、ワインやチーズと同様に、1970年には品質保証法(DOT)が制定された。豚の種類はもちろん、飼料穀類や生産過程でいくつもの検査があり、認証を見れば豚の生年や養豚業者、加工月まで分かる徹底ぶりだそうだ。変わらぬおいしさの裏には、厳しい規定をクリアするための職人達の見えない努力があるのは言うまでもない。味の形容はいろいろあるだろうが、「うまい!」の一言で片付けて良いと私は思う。





